« 2004年5月 | トップページ | 2004年7月 »

『海猿』 -頑張るワカゾウ-

海猿
Amazonで詳しく見る

監督 羽住英一郎
脚本 福田靖
出演 伊藤英明 / 加藤あい / 伊藤淳史 /
   香里奈 / 國村隼 / 藤竜也 他


=ストーリー=

海難救助の最前線、潜水士を目指して訓練を続ける
仙崎ら14名の海上保安官たち。
バディの工藤に足を引っ張られつつも、共に協力をして
訓練をこなしていく仙崎。
そんななか工藤が事故に巻き込まれてしまう。


僕は泳げない。かなづち。

小学校4年生の時の担任の先生がクラスメイトとは別メニュ−で
色々教えてくれはってんけど、結局上達せず。
時間を割いて教えてもらったのに、何の進歩もなく
申し訳ないです、先生。

それ以後、中学・高校でのプールの授業は苦痛でしかなかった。
体は浮くんやけど、息継ぎができへん。
息継ぎしようと水面から顔を出すんやけど、どうしても口だけは
水面から出えへんくて、息を吸わんと水を大量に飲んでしまう。
平泳ぎは顔を水面から出したまま、犬かきみたいにもがくだけ。
クロールは息が続く限り進んでは立ち、進んでは立って呼吸する。
足で蹴った勢いだけで進んでるから、2、3メートル進むだけ。
とても泳いでるようには見えへん。

そんな僕やから工藤の気持ちが痛いぐらいにわかる。
バディの足を引っ張ってしまって落ち込む工藤。
僕も授業でリレ−をやった時に僕と組まされたクラスメ−トに
「ほんま、ごめんなぁ」と恐縮するばかり。

いつもは冷静に映画を観るんやけど、工藤に共感できたからこそ
普段以上にのめり込んで観れた。

努力し続ける工藤に、思わず頑張れとエ−ルを送り、
助けてくれる仲間達の友情に『あぁ、ええなぁ』と胸を熱くする。
社会人になったら、男の熱い友情なんて
なかなかお目にかかれへんから、ちょっと羨ましくなったわ。

海上保安庁に限らず、危険ななか人命を救助する方々には
ほんま頭が下がるわ。
僕みたいなかなづちは海上保安庁にお世話になる確率が
高いやろうから、その時はよろしくお願いします。

最初からお世話になるつもりでおらんと、
工藤を見習って少しは泳げるように努力せなアカンかな。
まずは息継ぎの練習からやね。


[パンフレット評]
 じっち的点数(★=1点、☆=0.5点、5点満点で評価)
  『海猿』パンフレット   ★★★☆

 価格   ¥600(税込)
 サイズ  中 (大・中・小 3段階評価)
 ペ−ジ数 多 (多・中・少 3段階評価)
 備考   潜水士用語・潜水士装備解説付
      スタッフ・出演者直筆メッセ−ジ付


人気blogランキング
映画関連ブログ探すならココおすすめやで

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『21g』 -量れない重さ-

21g
Amazonで詳しく見る

監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本 ギジェルモ・アリアガ
出演 ショ−ン・ペン / ナオミ・ワッツ /
   ベニチオ・デル・トロ 他


=ストーリー=

愛する夫と二人の娘を失ったクリスティ−ナ。
クリスティ−ナの家族を轢き殺してしまったジャック。
クリスティ−ナの夫の心臓を移植して命をとりとめたポ−ル。
一つの事故により3人の運命が交錯していく。


人は死ぬと21g軽くなるらしい。
『失った重さ=魂』っていう説。
この映画のタイトル『21g』はこの説からきてる。

ハチドリの重さ。
100円ライターの重さ。
口紅の重さ。
キャラメル3個の重さ。
ポケットティッシュの重さ。

吹けば飛ぶような、たった21g。

この映画はわずか21gでしかない魂を含む人の命が
とてつもなく重いモノなんやと訴えてくる。
「人の命は地球より重い」なんて
道徳の授業で習った漠然とした言葉やない。
生活の中で経験するかもしれない
身近なモノとしての命の重さを
この映画を観た人に突き付けてくる。

人の命の上に生かされているという意味。
命を失う苦しさ。
命を奪った責任の重さ。
この映画に登場するポ−ル、クリスティ−ナ、ジャックの
3人も命の重さを知って苦悩する。
それでも3人は生き続け、命の重さをどう受け止めていくか
模索し続ける道を選ぶ。

みんな普段の生活で死に直面する事がそんなにないから、
命の重さをつい意識しなさ過ぎになってる気がする。
そんな意識しない事が
最近の凶悪事件が増えている事にも
繋がってるんちゃうかなぁ。

「人の命は地球より重い」なんて軽い言葉やなくて
もっと実感しやすい言葉で表現していかんと
命の重さがドンドン軽くなっていってまう。
『国』からしたら人の命なんて21g以下なんちゃうか
ってぐらい戦争してるもんなぁ。
なんかイヤな時代になってるわ。


[パンフレット評]
 じっち的点数(★=1点、☆=0.5点、5点満点で評価)
  『21g 』パンフレット   ★★★☆

 価格   ¥600(税込)
 サイズ  中 (大・中・小 3段階評価)
 ペ−ジ数 多 (多・中・少 3段階評価)
 備考   各ペ−ジ下部に『21g のモノ』を記載


人気blogランキング
映画関連ブログ探すならココおすすめやで

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『深呼吸の必要』
  -「なんくるないさぁ」と言える強さ -

深呼吸の必要
Amazonで詳しく見る

監督 篠原哲雄
脚本 長谷川康夫
出演 香里奈 / 谷原章介 / 成宮寛貴 / 金子さやか /
   久遠さやか / 長澤まさみ / 大森南朋 他


=ストーリー=

『きび刈り隊』=人手不足な農家のさとうきび収穫を手伝うアルバイト。
        滞在中、寝食を共にし、ただひたすらきびを刈り続ける。

きび刈り隊募集の告知に応募してきた若者達が
沖縄のとある離島に集まる。
それぞれ言いたくない事情を抱えた彼等は、
どこかギクシャクしたまま作業を続ける。
初心者ゆえの不器用さから、なかなかきび刈りの効率があがらず
期限までにきびを刈り終える事ができそうにない。
そんな矢先きび刈り隊の先輩田所が大怪我をしてしまい、
さらに効率がさがってしまう。
期限まで後10日。彼等は期限に間に合うのか・・・。


この映画は自己再生がテーマの作品。
でも登場人物達が抱える問題は、具体的に語られることはあらへん。
それどころか劇的な体験をして、それをきっかけに成長していく訳でもない。
ただ淡々ときび刈り作業をこなしていく毎日を過ごすだけ。

それやのに、きび刈り隊の7人の若者達がラストで見せる精悍な顔つきは、
それぞれが抱える問題に向き合える、前向きな強さを得る事ができた表情やねん。
それはただ黙々と作業し続けることが『深呼吸』する事と同じ意味を
もっていたから、あの7人はあそこまでいい顔つきになれたんやと思う。

「最近時間の流れが早く感じるなぁ」って人が多いと思う。

仕事に追われたり、世の中に溢れる情報から
取り残されないように必死にしがみつく。
恋愛や会社の人間関係なんかで悩まされ続けて
ゆったり心安らげる時間を過ごす機会が減ってる。
誰が作ったんかは知らんけど、世の中の流れは
効率重視で急ぎ続け、消費し続ける事を要求してくるねん。
自分のペースやなく、そんな世の中の流れに揉まれ過ぎてるから
時間が早く感じるんやわ。

誰にだって問題を抱える事はある。
で、それを乗り越える力もある。
でも世の中の早さに流されてるせいで、
ちょっとした問題でも乗り超えられへんぐらいの衝撃でぶつかってしまう。
そんな日々に疲れてるから、癒しブームなんてモノが現れるんやわ。

この映画での『深呼吸』って、日々の早い流れから逸れて
自分のペースに戻ることやねん。
ゆっくり進めば、ぶつかる問題にも、乗り越える準備ができるし、
ぶつかったとしてもそんなに激しい衝撃を感じないで済むやん。

7人の若者達にとってのきび刈りは
自分のペースを取り戻す『深呼吸』をするきっかけやってん。

早起きして、しっかり飯喰って、バリバリ働く。
仕事の充実感を感じながら、また次の日に向けてぐっすり眠る。
生きるのに最低限必要な事だけで、余計な事をせんから
気持ちに余裕ができてくるねん。
問題が起こったって、余裕があるから、この作品のおじぃやおばぁみたいに

「なんくるないさぁ(どうってことない)」

ってどっしり構えてられるんやわ。

『深呼吸の必要』に迫られてるんは哀しい事やけど
『深呼吸』する事はそんなに難しいことやないでって
この映画から教わったわ。

僕にとっての『深呼吸』ってなんやろう?
「なんくるないさぁ」って思える力を与えてくれる
この作品みたいな映画にこれからも出会えることやろね。


[パンフレット評]
 じっち的点数(★=1点、☆=0.5点、5点満点で評価)
  『深呼吸の必要』パンフレット   ★★★☆

 価格   ¥600(税込)
 サイズ  小 (大・中・小 3段階評価)
 ペ−ジ数 中 (多・中・少 3段階評価)
 備考   さとうきびの刈り方図解付
      映画主題歌「深呼吸の必要」歌詞掲載
      長田弘詩集『深呼吸の必要』より
      「あのときかもしれない・一」掲載


人気blogランキング
映画関連のブログを探すならココをクリック

| | コメント (0) | トラックバック (2)

『キュ−ティ−ハニ−』 - 愛すべきアホ -

キューティーハニー
Amazonで詳しく見る

監督 庵野秀明
脚本 高橋留美 / 庵野秀明
出演 佐藤江梨子 / 市川実日子 / 村上淳 他


=ストーリー=

一年前に生まれたアンドロイド、キュ−ティ−ハニ−。
如月博士が開発した究極の技術『Iシステム』をねらう
秘密結社パンサ−クロ−。
『Iシステム』本体であるチョ−カ−を持つハニ−に
パンサ−クロ−の魔の手が伸びる。


僕の使う『アホ』って言葉にはいくつか違う意味があって
その時々で使い分けてる。

 1・・辞書に載ってるどおり、人をけなすとき
 2・・言葉自体に全く意味がなく、合いの手ようなモノで
    人の話にツッコミをいれるとき
 3・・間の抜けたような、なさけない感じやねんけど
    なぜか愛おしく感じるモノに対して評価するとき

ちなみに上記1と『バカ』の意味は同じでも
関西人の僕にとっては全然違うって言っていいぐらいの言葉。

『バカ』は冷たく突き放した言葉。
『アホ』はけなしつつも、ほんのわずかやけど
言葉に愛情が含まれてる。

関西人みんながそう感じる訳やないけど、僕がそう感じる
理由の中には『関西人の血』が少しは関係してると思う。

で、この映画『キュ−ティ−ハニ−』
「『アホ』な映画やなぁ〜」っていうのが僕の感想。

観てるこっちが恥ずかしくなるくらいのケレン味たっぷりな内容。
リアリティ−を求め過ぎてる最近の映画にはない、ふざけっぷり。

服の代わりに下着姿をゴミ袋で隠して、町中を走る主人公。
海ほたるが大渋滞になるくらいの、何百台ものパトカ−の群れ。
パンサ−クロ−のアジトに地下から突き上げられた東京タワ−が
最後には元の位置にきれいにスッポリおさまったりする。

でも、ふざけっぱなしでは終わらず
この映画は愛をテ−マとして語っている。

生い立ちや環境を乗り越えた上でのハニ−の
「それでも好き」と言える芯の強い愛情の深さ。
例えるならヤクルトスワロ−ズの五十嵐投手なみの豪速球のような
ど真ん中直球のベタな愛をテ−マにしている。

リアリティ−重視の映画の中で愛を語ると
「何を青臭い事言ってんねん!」と冷めた目で
見られがちになると思う。
でもこのケレン味たっぷりの世界観が、青臭さを
中和してくれて、ど真ん中直球の愛っていうテ−マを
照れずに受け止める事ができる。

見た目カッコ悪いが芯では熱く語ってるこの映画って
正しくないかもしれんけど、ウルフルズのAAP(アホアホパワ−)に
通じるモノがあると思う。

普段の生活の中に笑いや『ボケとツッコミ』が染み付いてる
関西人にとっては理解しやすい『ダサかっこいい』感覚が
詰まったこの映画。
関西人の僕やからこそ『キュ−ティ−ハニ−』は
「『アホ』な映画やなぁ〜」と感じる
愛すべき作品の一つなんやわ。


[パンフレット評]
 じっち的点数(★=1点、☆=0.5点、5点満点で評価)
  『キュ−ティ−ハニ−』パンフレット   ★★★☆

 価格   ¥700(税込)
 サイズ  小 (大・中・小 3段階評価)
 ペ−ジ数 多 (多・中・少 3段階評価)
 備考   story comic 付


人気blogランキング
映画関連ブログ探すならココおすすめやで

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2004年5月 | トップページ | 2004年7月 »